SSブログ

東の空に暗雲を見かけて [気になったこと]

スカイ・クロラ The Sky Crawlers』を観てきました。

映画好きってわけでも、
浴びるほど映画を観まくってるわけでもないので、
いささかとりとめもない感想羅列になりますけどご容赦を。
しかも、他のまともなレビューや、
公式パンフレットなども参照していないので、
間違った記述もあるかもしれません。

冒頭、黒豹の描かれたマスタング(正式名称:スカイリィ)が、
震電(正式名称:散香)を撃墜しまくる空戦から始まるわけだけども、
後方から追いすがる散香を黒豹スカイリィが、

コブラで躱して、追い抜きケツをさらした散香を蜂の巣にしたんですよ。

…コ、コブラだって?馬鹿な!?
ほんの一瞬の出来事だったので目を疑いましたよ。

Wikipediaさん、コブラとは?

コブラ(cobra)とは、
航空機のマニューバの一つであり、空戦機動の一つである。
水平飛行中に進行方向と高度を変えずに
機体姿勢をピッチアップし270度近い迎角に変え、
そのまま水平姿勢に戻る機動を指す。


わかりやすく言えば、水平にまっすぐ飛んでいる最中、
いきなり反っくり返るように機首を上げて、
ひっくり返るところまではいかずに、また元の姿勢に戻る動き。

先にこの機動の仮想利点を述べておくと、
空気抵抗が急増および前方に向けた推進力が失われることで急減速し、
高速で追いかけっこしていた後方機は一瞬にして前方機を見失い、
追い抜いてしまう。
前方機が機首を戻すと、そこには無防備なケツをさらした後方機が。

これがあえて色々なところに目をつむった理想パターン。

いきなり一番大きな現実の壁を直視するならば、
この機動は世の中の大部分の飛行機にとって不可能なこと。
オレみたいに飛行機について浅い知識しか持ち合わせていなくても、
みなさん、すぐにお気づきになるかと思いますが、
機首を大きく上げると揚力が稼げなくなり、普通は失速するんですよ。
失速した飛行機は出来の悪い紙飛行機のように落ちていく。

戦闘機というのは因果なもので、高機動性を獲得するために、
あえて不安定に作ってあるものなんだけど、
さらにその不安定さを維持・制御するために生み出された、
コンピュータによる機体制御を含むフライ・バイ・ワイヤと、
推力偏向ノズル(推奨)を備えた最新の一部戦闘機と、
技術と度胸を兼ね備えたパイロットが組み合わさってコブラは可能になる。

第二にコブラは低速域専用ということ。
高速飛行中にコブラをやろうとすると、機体が空中分解するってわけで。
で、当然ドッグファイト中にトロトロ低速で飛んでるわけもなし。

ざっとこの2点のせいで、
コブラは技としては存在していても、
実戦では使えないだろうと言われてしまうのですよ。

ましてや、今作ではレシプロ機が主役。
機体性能は言わずもがな、輪をかけて無理な話になってくるわけだけど、
ここはあえて夢をこめて考える。
機体がメチャクチャ頑丈で、パイロットがメチャクチャ凄腕の場合、
むしろレシプロ機による格闘戦の方がコブラの重要度は増すかもしれない。

機銃が主武装である以上、双方の距離は接近している。
戦闘機とて常に最高速度で飛びかっているわけではない。
旋回や上昇でエネルギーが失われて中庸な速度に落ち込む。
そんな一瞬にコブラをかませたら………
少なくともミサイル主体の現代航空戦よりは使い道はありそうだ。

ただ…やっぱり失速してコントロールを失った機体の機首を戻すのは、
なにか特殊なコブラ専用機首戻し装置が必要な気がする。

こんな非現実的な技でこちらを翻弄する黒豹機パイロット“ティーチャー”。
むしろこの世界のルールとして絶対無敵であることを印象づけるために、
コブラは選ばれたのかもしれない。

“ティーチャー”は大人の男だ。
そう何度か台詞で表現される一方、その中の人間的な描写は無い。
大人になれない“キルドレ”達が、
その淡く輪郭のない命を賭しても越えられない、
非人間性の象徴としてコブラはあり、
“ティーチャー”は空を支配し続ける。

冒頭のコブラについて書いてたら今日の分の力を使い尽くす。
おぉい!!

とりあえずコブラに絡めて今日の分のオチをつけるなら、
映画を見終わった後、エースコンバットがやりたくなった。

全体的にハッピーな話ではないけど、
こういう雰囲気で作られたエースコンバットもありだと思う。
いい加減、主人公が敵をバッタバッタとなぎ倒して大勝利という展開は、
限界のような気もするしね。
ただ…日本では受け入れられても、海外で売れないかもしれない。
となると本数的に厳しいんだよなぁ。

あ、一応、こんなん作ってますよエースコンバットチームが↓

スカイ・クロラ Innocent Aces

さっきのエースコンバットに対する要望は実現しそうだけど、
最大の問題点は……

何でWiiやねん!!

無いだろぉ…このネタでWiiは。
PS3かXbox360だろぉ。
特に押井ファンのPS3所持率は比較的高めと推測されるわけで。
何故かって、旧作品のBlu-ray版がぞくぞく発売されていて、
みんな律儀に買いそろえまくってるからね。

ま、とりあえず楽しみにしておきます。

コブラ以外の感想はまた明日。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

天山響水

コブラ…ですか…。とりあえず、出演されている栗山千明さんはノンメイクで幽霊になれるすばらしい役者さんです。必要なのは白襦袢だけです。飛行機の戦闘シーンでは是非とも画面を4分の1ほどで結構ですので彼女の水着姿のPVに当てていただきたいものです。

Wiiについては零という定番の心霊もののゲームが発売しましたね。個々で購入に踏み切れないのがWii。零などというゲームをこのむオタ坊主の要望にまったくこたえる気のない、あのラインナップとメーカー方針。

適合するハードを世の中に求めるよりは煩悩を消すほうが早いですよと、檀家の方々に言われております。
by 天山響水 (2008-08-07 23:53) 

Tal-0.

栗山千明さん、サブカルチャーにまつわる話を思い出しますね。
………あとその昔に出た写真集とか。
今回の役柄はかなり好感度の高い女子ですよ。

おそらくゲーム会社経営陣が数売れているというだけの理由で、
対応ハードを決定しているんでしょうねぇ…
DSも同じくですよ。
しかし、ここ最近のPSPの躍進ぶりは、
このあたりの判断に影響を及ぼすのではないでしょうか。

そういえば御自分の法力で除霊したほうが早くないですか?
by Tal-0. (2008-08-08 21:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。